妄想警察に反抗した私は、すぐさま収容島送りとなった。のんきに事情聴取なんて続けていると、私の妄想によって妄想警察の全員がやられてしまうと思ったのだろう。
しかし、どこへ送られても、私の妄想する世界から出ることがなければ私を束縛するなど不可能ではないか。彼らの行為には、一体何の意味があるのだろう。
護送機は10000m以上の上空を飛んでいて、窓からは時折地図で記憶にある地形を見た。
私には意味がないと知ってか、私の五肢は自由で手錠もなかった。監視人さえ近くにはいない。
そこへナース・釈由美子が現れる。
「空中ブランコ」で阿部寛と共演した時に演じたセクシーな白衣姿だった。
私の妄想にしては変だな。もちろん釈由美子のこの姿も可愛いが、私が妄想しようとして呼んだ訳ではないのに、どうして現れたんだろう。
彼女が天使の微笑みで近づいてくるから、私はその疑問を後回しにしてうっとりとした笑顔を返した。
彼女が私の腕を取る。ああ、何されてもいい。。。
油断だった。自分の妄想に対して油断をしてはならぬとは、何としたものだろう。
釈由美子のナースは、いきなり取り出した注射器で私の静脈に何やら煙立つ液を注入する。
気がついた時には全身が金縛りのような状態になり、妄想さえ働かなくなった。
釈由美子が可愛く見つめてくれるので、注射自体はちっとも痛くなかったが。。。
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